いぼ痔(痔核)とは

王子クリニックでは京都の肛門外科の中でも痔の日帰り手術・治療を行っています。

内痔核(ないじかく)

内痔核

歯状線より直腸側にできた痔核のこと。痛覚のない粘膜にできるので、通常痛みはなく、はじめは出血を認めるだけですが、徐々に肛門外に痔核が脱出するようになります。そうすると外痔核を伴うようになるため、痛みがでてきます。初期の腫れや出血、痛みは薬で治まることが多いですが、痔核が頻回に脱出したり、もどりにくくなったりすると手術などの治療が必要になります。内痔核は、上直腸動脈が枝分かれしたところ、肛門を時計にみたてると、3時、7時、11時にできます。

外痔核(がいじかく)

歯状線より直腸側にできた痔核のこと。痛覚のない粘膜にできるので、通常痛みはなく、はじめは出血を認めるだけですが、徐々に肛門外に痔核が脱出するようになります。そうすると外痔核を伴うようになるため、痛みがでてきます。初期の腫れや出血、痛みは薬で治まることが多いですが、痔核が頻回に脱出したり、もどりにくなったりすると手術などの治療が必要になります。内痔核は、上直腸動脈が枝分かれしたところ、肛門を時計にみたてると、3時、7時、11時にできます。

原因

いきみの繰り返し、便秘、激しい下痢、重いものを持ったとき、長時間同じ姿勢を続けたとき、おしりや腰が冷えたときなどに、肛門に負担がかかり、クッション部分が腫れて大きくなります。そしてその腫れが大きくなると、肛門の外に脱出するようになります。

症状

排便したときに血が混じる、便が残った感じがする、痔核が肛門の外へ出ている、指で押し込まないと戻らないなど。

分類

主な症状でI~IV度に分類されます。

内痔核
I度
I度
  • 痔核は肛門管内で軽度に隆起するだけで、ほとんど脱出しない
  • 痛みはなく、排便時に鮮血の出血をする以外症状は乏しい
  • 保存療法
  • 薬物療法
  • 注射療法
II度
II度
  • 痔核がより大きくなり、排便時に脱出するが、自然に戻る
  • 保存療法
  • 薬物療法
  • 注射療法
III度
III度
  • 排便時に痔核が脱出し、手で押し込まないと戻らない
  • 注射療法
  • 手術療法
IV度
IV度
  • 痔核を手で押し込んでも戻らず、出たままの状態になる
  • 粘液がしみ出て下着が汚れることが多い
  • 手術療法
激しい痛みを伴う痔核
嵌頓痔核
嵌頓痔核
  • 痔核は肛門管内で軽度に隆起するだけで、ほとんど脱出しない
  • 痛みはなく、排便時に鮮血の出血をする以外症状は乏しい
  • 手術療法
血栓性外痔核
血栓性外痔核
  • 肛門周囲に血栓がつくられ、急に腫れて硬くなったもの
  • 皮膚が破れて出血することがある
  • 保存療法
  • 薬物療法
  • 手術療法

治療

基本は保存療法です。保存療法を行っても、症状が改善せず、日常生活に支障を来たすときは、外来処置や手術を行います。手術になる患者さんは、約2割です。

保存療法

食生活や排便習慣などのライフスタイルを見直し、できるだけ肛門に負担をかけず、症状を悪化させないようにする生活療法です。たとえば、食物繊維と水分、朝食をしっかりとることや、排便時にはいきまない、排便時間は3分以内などがあります。

薬物療法

坐薬は肛門に挿入しやすい紡錘型をした固形薬。塗り薬は肛門周囲に塗るタイプと注入するタイプがあります。坐薬も塗り薬も止血作用、痛み止めの作用があります。内服薬は、便をやわらかくして、肛門の負担を軽くしたり、炎症を抑える抗生剤や消炎剤などがあります。

注射療法

手術療法

結紮切除・半閉鎖術:痔核に血液を送っている血管を縛り、痔核を切り取る手術です。痔核を切除したあとの創を縫います。注射療法に比べると、術後の痛みは少しありますが、手術方法と術後の内服薬等の工夫することで、痛みをコントロールできます。再発率は約1%で、根治術として優れています。当院では痛みを感じず、眠っている間に終わる日帰り手術で行っています。

当院における痔核治療方針

  • 生活指導と薬物療法が基本(保存的療法)
  • 出血が主症状:
    +脱出なし:PAO注射または保存的療法
    +軽度の脱出あり:PAO注射
  • 脱出が主症状:結紮切除+ALTA
  • 嵌頓痔核:保存的療法後に痔核を評価、治療方針を決める
  • 血栓性外痔核:保存的治療で改善なければ、血栓除去または結紮切除

※実臨床での患者様の再発率、副作用、負担金額などを総合的に判断し、当院では内痔核に対するジオン(ALTA)単独療法は行っておりません。

ご本人には、患部の写真をみていただき、診察結果を十分に説明し、納得いただいた上、治療を行います(インフォームド・コンセント)。